
EC-CUBE 2系のサポート終了に伴い、多くのECサイト運営者様が対応を迫られています。本記事では、EC-CUBE 2系を継続利用することのリスクと、バージョンアップの重要性、さらに構築代行サービスの活用方法について詳しく解説します。セキュリティ対策から運用コストまで、具体的な対応策をご紹介します。
EC-CUBE 2系 サポート終了の現状

EC-CUBE 2系は長年多くのEC事業者に愛用されてきましたが、技術の進化とセキュリティ要件の変化により、いよいよサポート終了の時期を迎えています。この状況が皆様のビジネスに与える影響について詳しく説明していきましょう。
各バージョンのサポート終了日
EC-CUBE 2系の各バージョンは、段階的にサポートが終了していきます。2.11系は2023年にすでにサポートが終了しており、2.13系についても間もなくサポート終了を迎えます。
具体的なサポート終了スケジュールは以下の通りです。
● EC-CUBE 2.11系:2023年3月末でサポート終了
セキュリティアップデートや不具合修正の提供が完全に停止されることを意味します。特に重要なのは、セキュリティ脆弱性が発見された場合でも、修正プログラムが提供されなくなるという点です。
● EC-CUBE 2.13系:サポート継続中
2024年12月に終了予定でしたが、利用者様が多いことと、2025年4月からのセキュリティ強化必須化もありサポートを終了してしまうと困る企業様が一定いらっしゃるという判断にて継続することとなりました。
ただ2.13は新規開発は既にストップしており、2系も上位バージョンが出ていますので、2.13はいつサポート期限がきれてもおかしくない状況です。
セキュリティなどの観点からバージョンアップおすすめします。
※ 緊急度の高い不具合や、脆弱性はサポート期限によらず対応する可能性はありますが確実ではありません。
サポート終了による影響とリスク
サポート終了後、EC-CUBE 2系を利用し続けることで、以下のような具体的な影響が予想されます。
- セキュリティ脆弱性への対応不可
- PHP等の基盤システムのバージョンアップ対応不可
- 新機能の追加や改善の停止
- 決済モジュール等の連携機能の互換性問題
特に深刻なのは、クレジットカード情報を扱うECサイトにおけるPCI DSS準拠の維持が困難になることです。これは、顧客の信頼を損なうだけでなく、事業継続にも重大な影響を及ぼす可能性があります。
EC-CUBE 2系を使い続けるリスク
セキュリティリスクの増大

EC-CUBE 2系を継続利用することで、セキュリティリスクは時間とともに増大します。たとえば、新たに発見された脆弱性に対して、修正プログラムが提供されないため、サイバー攻撃の標的となるリスクが高まります。
具体的なセキュリティリスクには以下のようなものがあります。
- クロスサイトスクリプティング(XSS)攻撃の危険性
- SQLインジェクション攻撃への脆弱性
- 顧客情報漏洩のリスク
- 不正アクセスによるサイト改ざん
これらの脅威は、ECサイトの運営者にとって非常に深刻な問題となります。特に、個人情報保護法や改正電子決済等代行法への対応が必要なサイトでは、早急な対策が求められます。
パフォーマンス低下と機能制限

古いバージョンのEC-CUBEを使い続けることで、サイトのパフォーマンスは徐々に低下していきます。具体的には以下のような問題が発生する可能性があります。
- ページ読み込み速度の低下
- 新しいブラウザやデバイスとの互換性問題
- モバイル対応の限界
- 新しい決済システムとの連携不可
特に深刻なのは、GoogleのCore Web Vitalsへの対応が困難になることです。これは検索順位に直接影響を与え、集客力の低下につながる可能性があります。
運用コストの増加

EC-CUBE 2系の継続利用は、長期的には運用コストの増加を招きます。具体的には以下のようなコストが発生します。
- セキュリティ対策の追加費用
- パフォーマンス改善のための追加開発
- 互換性問題への対応コスト
- システムトラブル対応の増加
たとえば、セキュリティ監視サービスの導入や、独自のセキュリティパッチ開発が必要になる可能性があります。これらは、通常のバージョンアップコストを大きく上回る費用となることが予想されます。
EC-CUBE 2系からバージョンアップする方法
EC-CUBE 2系 最新版へのバージョンアップ
一時的な対策として、EC-CUBE 2系の最新版へのバージョンアップを検討することができます。このアプローチには以下のメリットがあります。
- 既存の機能やデータを維持できる
- 比較的少ない工数でアップデートが可能
- 一時的なセキュリティリスクの軽減
ただし、これはあくまでも暫定的な対策であり、長期的な解決策とはならないことに注意が必要です。
EC-CUBE 4系への移行
最も推奨される対策は、EC-CUBE 4系への完全移行です。EC-CUBE 4系は以下のような特徴を持っています。
- 最新のセキュリティ基準に準拠
- 高いパフォーマンスと拡張性
- 豊富な機能とプラグイン
- 長期的なサポート保証
移行にあたっては、データの移行計画と十分なテスト期間の確保が重要です。具体的な手順については、次のセクションで詳しく説明します。
バージョンアップ手順と注意点
バージョンアップを成功させるためには、以下の手順に従って計画的に進めることが重要です。
- 現状のシステム分析と要件定義
- データバックアップの実施
- テスト環境での移行テスト
- カスタマイズ機能の互換性確認
- 本番環境への移行実施
特に注意が必要なのは、カスタマイズされた機能やテンプレートの互換性確認です。場合によっては、一部機能の再開発が必要になる可能性があります。
EC-CUBE構築代行サービスの活用
代行サービスを利用するメリット
専門家による構築代行サービスを利用することで、以下のようなメリットが得られます。
- 専門知識に基づく最適な移行計画
- リスクを最小限に抑えた確実な移行作業
- 運用サポートと保守体制の確保
- トラブル発生時の迅速な対応
特に重要なのは、ビジネスへの影響を最小限に抑えながら、確実にバージョンアップを完了できるという点です。
構築代行業者の選び方

信頼できる構築代行業者を選ぶために、以下のポイントを確認しましょう。
- EC-CUBE認定パートナーであるか
- 過去の実績と導入事例
- サポート体制の充実度
- 見積もりの透明性
特に、EC-CUBE公式の認定資格を持つパートナーであることは、技術力と信頼性を判断する重要な基準となります。
よくある質問(FAQ)
Q1: バージョンアップにかかる期間はどれくらいですか?
A: 標準的な構成の場合、1.5~3ヶ月程度が目安となります。ただし、カスタマイズの程度や、データ量によって変動する可能性があります。
Q2: 既存のデータはすべて移行できますか?
A: 基本的な商品データや顧客データは移行可能です。ただし、独自カスタマイズされたデータについては、個別の対応が必要となる場合があります。
Q3: 運用中のサイトへの影響は?
A: 適切な移行計画を立てることで、サービスの停止時間を最小限に抑えることが可能です。多くの場合、深夜帯での切り替え作業を推奨しています。
まとめ: 今すぐ対策を始めましょう
EC-CUBE 2系のサポート終了は、すべてのEC事業者にとって避けては通れない課題です。セキュリティリスクの増大や、運用コストの上昇を防ぐためにも、早期の対策が必要です。
特に重要なポイントは以下の通りです。
- できるだけ早期のバージョンアップ計画策定
- 専門家への相談と適切な支援の活用
- 段階的な移行による事業影響の最小化
今すぐアクションを起こすことで、将来的なリスクを最小限に抑え、安定したEC事業の継続が可能となります。まずは、現状の分析と対策の検討から始めましょう。